ジュエリーを含むビジネスシーンのファッションは、自分が「その仕事にふさわしい」とアピールする手段です。男性の場合、スーツはオーソドックスなもので手堅くまとめ、ネクタイや時計などの小物で印象をアレンジするというアプローチが王道です。なぜなら、面積が広いスーツを印象的にすると圧迫感がありすぎるからです。特に時計はビジネスファッションに「品格」を与えるアイテムで、相手への敬意・尊重を示すことにもなります。女性の場合、ジュエリーが男性の時計と同じ役割を担います。
とはいえ、日本のビジネスシーンではまだまだジュエリーが一般的ではないため実例に乏しく、「その仕事にふさわしい」ジュエリーを選ぶことはなかなか難しいものです。このコラムでは、2つのデザイン指標とジュエリーが与える5つのイメージ分類を使って、 アラウンド管理職の人がビジネスシーン・ポジションにふさわしいジュエリーを選ぶケースを考えてみます。
2つのデザイン指標と5つのイメージ分類の詳細はこちら ジュエリーが与えるイメージの5分類
タイプ1 ラインが曲線的で装飾が単純 アラウンド管理職向きではない
「ロマンチック」「可憐」というイメージの他に「ナチュラル」「やわらか」「若々しい」といったイメージもあてはまります。どちらかと言えば女性的なイメージですが、成熟した女性というより若い女性のイメージです。「未熟さ」を連想させやすいので、アラウンド管理職にふさわしいとは言えません。ジュエリー上級者であれば、意外性によってイメージに幅ができ相手の記憶に残るコーディネートができる可能性もありますが、リスクも大きいでしょう。日本女性はこのタイプのジュエリー・特に華奢なデザインを好む傾向がありますが、ビジネスシーンで使用することはかなり難しいタイプです。
タイプ2 ラインが直線的で装飾が単純
「シャープ」「クール」というイメージの他に「都会的」「合理的」といったイメージもあてはまります。「スピーディーさ」も感じさせるので、アラウンド管理職よりは現場のメンバー向きです。また、対応の早さが求められる営業職とも好相性です。
スーツと同じタイプなのでアラウンド管理職が身につけても違和感は少ないですが、馴染みすぎてわざわざジュエリーをつける必要性が低いかもしれません。ご自身がシャープでクールな雰囲気を十分持っているケースが多いので、アラウンド管理職の女性は違うタイプのジュエリーを付け足す方がイメージに深みが増すでしょう。アラウンド管理職でも、現場に近く対応の早さが特に求められる仕事なのにご自身はおっとりした雰囲気であるなど、シャープな印象が欲しいケースにはおすすめです。
タイプ3 ラインが直線的で装飾が複雑
「重厚」「がっしり」というイメージの他に「クラシック」「凝った」といったイメージもあてはまります。どちらかと言えば男性的なイメージで、スーツのタイプ2とも1つの軸(直線的)を共有しているので親和性があります。そのためビジネスシーンでも違和感が少ないですが、「どっしりした」雰囲気もあるため、部門長などの上級管理職向きです。アラウンド管理職の場合は、偉そうに見えるリスクがあります。しかし、アラウンド管理職なのに周囲からそのように見られず軽くあしらわれがちという方には、重厚というほどではないがタイプ3の要素を持つデザインのジュエリーがおすすめです。
タイプ4 ラインが曲線的で装飾が複雑
「華やか」「大胆」というイメージの他に「ゴージャス」「ダイナミック」「にぎやか」といったイメージもあてはまります。会社の顔となるエグゼクティブには求められる要素の1つでしょう。
アラウンド管理職でこのイメージが必要となるシーンはあまりありませんが、レセプションなどでは適度にタイプ4の要素が必要なこともあります。スーツを着用するレセプションの場合は、スーツとジュエリーがちぐはぐにならないよう注意が必要です。タイプ1とタイプ4は軸も共有せず離れているので、ちぐはくなイメージになりやすいからです。タイプ1のスーツとタイプ4のジュエリーの間を取り持つタイプ5のジュエリーを加えれば、連続性が生まれて上手に取り込めるでしょう。タイプ5のについては、次に述べます。
タイプ5 ラインは直線と曲線がほどよくミックスされ、装飾は適度な複雑さ
ラインは直線と曲線が程よくミックスされ、装飾も単純ではないけれど複雑まではいかない程よさ。中途半端ではなく、バランスのとれたニュートラルなデザインのタイプです。
現代のビジネスでは、今までの男性中心の組織では得られなかった視点を女性に求めています。しかし、女性らしさを前面に出してしまうと、かえって反発もあるでしょう。これはタイプ1・タイプ4の潜在リスクです。
また、アラウンド管理職は現場のメンバーと上級管理職をつなぐ役割も期待されています。現場のメンバー向きのタイプ2寄りでも上級管理職向きのタイプ3寄りでもないニュートラルさは、バランス感覚の良さを感じさせます。
つまり、アラウンド管理職にもっともおすすめできるのは、タイプ5のジュエリーです。
(2)タイプ2のジュエリー
(3)タイプ3・タイプ4のジュエリー
タイプ5のジュエリーは、他のタイプのイメージが程よい強さでミックスされているので、単体で使用しても深い印象を与えますし、他のタイプのジュエリーとスーツのつなぎ役としても活躍します。まず、タイプ5のジュエリー単体でビジネスシーンのジュエリー使いに慣れ、続いてタイプ2のジュエリーにタイプ5のジュエリーを重ねて、さらに深みを出す経験を重ねます。その後、アラウンド管理職にとっては難易度の高いタイプ3とタイプ4のジュエリーに進むのです。
このコラムでは、アラウンド管理職がスーツに合わせるならどのようなデザインのジュエリーが良いかを考えてみました。一般的なビジネスシーンの服は、程度の差はあれオーソドックスなもので手堅いイメージにならざるを得ません。ジュエリーのないビジネススタイルはみな同じで顔のないスタイル、つまり相手の印象に残らない=仕事が出来そうに見えないスタイルになりやすいのです。ジュエリーでご自分が「その仕事にふさわしい」とアピールして、顧客の信頼獲得と仕事のスムーズな進展につなげましょう。
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