イエロー、ホワイト、ピンクなど、ゴールドにカラーバリエーションがあるのはなぜでしょうか。純金のインゴット(延べ棒)は金色です。イエローゴールドはまだしも、ゴールドなのにピンクやホワイトというのは、よく考えると不思議ではありませんか。このコラムでは、ゴールドの色に関する不思議な性質についてお伝えします。
ゴールドのジュエリーは一般的に、ゴールドとゴールド以外の金属(割り金)を加えた合金であること、そのためK18やK10などの「品位(含有量)」が重要であることを前回のコラムでお伝えしました( 前回のコラムを見る)。合金のメリットは、単一の金属ではえられないすぐれた性質を作り出せるということで、ゴールドの場合は「色」もそういった性質の1つです。ゴールドの割り金に使われるのは主にシルバーと銅です。シルバーが多くなれば緑色(青色)が強くなり、銅が多くなれば赤色が強くなります。
YG(イエローゴールド)は、今の日本では割り金のシルバーと銅の割合が5:5か6:4のものがほとんどです。昔は、比較すると赤味を少し感じる4:6が多かったようです。同じK18YGでもシルバーと銅の割合によって微妙な色の違いが出ますが、品位によっても微妙に色が変わります。品位が変わるとゴールドの含有率が変わるためです。YGはゴールドらしい色が好まれてきた上に加工もしやすいため、最も一般的なゴールドです。
WG(ホワイトゴールド)は、割り金として主にシルバーとパラジウムを加えます。昔はニッケルが主流でしたが、金属アレルギーのリスクを低減するため、現在ではパラジウムを使うのが一般的です。パラジウムはプラチナ族の貴金属なので、シルバー・銅と比べ価格が高くなります。同じ形・サイズでもWGのジュエリーがYGやPGより高い理由はここにあります。パラジウムは純白というより少しグレーがかった白で、また品位が高いほどゴールドの割合が高いので、K18WGは純白ではなく少しですが黄色味や暗さを感じる色となります。そのため、日本ではロジウム(こちらもプラチナ族の貴金属)のコーティング(めっき)を施すことが多いです。この点に関しては、次回のコラムで詳しくお伝えします( 次回のコラムを見る)。
PG(ピンクゴールド。ヨーロッパなどではRGローズゴールドと呼ぶこともあります)はシルバー:銅が2:8など銅が多めのゴールドで、色の発色を良くするためパラジウムや亜鉛等を加えることもあります。柔らかな色が人気ですが、銅が多めのため硬く加工しにくいという特色を持ちます。
他に何を加えるかによって色が変わるゴールドの性質は、なかなか興味深いものでしょう。上の3つの他に、シャンパンゴールドやライムゴールドなどを見かけることもあります。現在も新しい色のゴールドの開発が進められており、今後さらにゴールドの色が増えるかもしれません。
次回は、ホワイトゴールドとプラチナについてお話しする予定です。
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